2023年4月の家族会定例会(総会)が、16日(日)に開催され、会員10名
(家族6名、当事者4名)、賛助会員3名の方々が出席されました。
また、広島から当事者の方1名がご参加いただきました。
令和5年度 総会
令和4年度 活動報告
令和4年度 会計報告
令和5年度 活動計画
令和5年度 予算案
令和4年度の活動内容・会計報告、及び令和4年の活動計画・予算案について説明を
行い、その後承認されました。
近況報告
広島から参加された当事者MI・HO・KOさん
2001年5月 留学先のカナダで交通事故により意識不明の重体となる。
意識不明のまま日本に帰国、広島の病院に脳外科に入院 8月に転院してリハビリ
9月終わりに退院し自宅通院になった。周囲の人達は退院を喜んでくれたが、病院では守られていた本人にとっては悪夢 特に短期記憶障害がひどった。
英語を教える仕事に戻りたいと思ったが、ゼロからのスタート
以前の自分とのギャップが激しければ激しいほど「死にたい」という気持ちが強くなる
精神的にうつ病になりそうであったが、うつ病になるよりもむしろ悔しさのほうが強かった。 悔しくって死にもの狂いでリハビリをし、英語の勉強もしてレベルを上げていった。
英語の学力は戻ったので、少し英語の講師をやってみたが、生徒の名前が覚えられない、
やった内容の同じことを繰り返す等で、それを指摘されショックだった。
感情のアップダウンが激しいので、ショックを受け気持ちがダウンすると必ずしんどくなる、「死んでしまえばよかった」という思いが湧いていた。
英語の講師を続けて、このままで大丈夫なのだろうかと悩んでいるなかで、自分の経験を生かして人を救う仕事に就こうと、作業療法士の学校に入学。
→ 科目では覚えているはずなのに、テストで点が取れない。
実習では病院等同じところに行くが、毎回警備員に場所を聞かないとわからない。
患者さんと症状が結びつかない、一致しない等。
試験は不合格、現実を知り、医療職は無理だろうと判断した。
作業療法士の学校の先生の勧めで高次脳専門のリハビリ病院で医学的に症状の診断を受ける。
→ 高次脳機能障害で、障害者手帳を出せるレベルと言われる。
高次脳があるのはわかっているが、頑張ったら何とかなるだろうと思っていた。
初めて自分の現実を知った。自分でショックを受け、高次脳を自覚
自分がどれだけひどいか、初めて自分を認めることが出来た
当初入院した広島の病院では見てはもらえなかったし、当時は見てくれる人はいなかった
学校は辞めても自分に意味を持たせたいと,本を書くことと何か社会に貢献したいと
もう一つの自分を探そうとした。
何回も「生きているのがしんどい」「迷惑をかける」「死にたい、死のう」と思った。
斜視でサングラスをかけて出かけると譲られる、そう見られるのも嫌だった。
生きるか死ぬか 生きるのであれば何ができるのか、色々失敗をして自分でつかんで
いった。
作業療法の学校での知識を生かして整体師の学校へ行き、頭で覚えるのではなく身体を使って覚えていき整体師の資格を取得、整体セラピストとして、サロンでマッサージの仕事に
就く。
仕事をするうえで、自分の病気のことを事前に言っておく。
どうせ言ってもわかってもらえないと思っていたが、具体的に説明して理解してもらうと
周囲の人も工夫してくれるようになった。
迷惑になるのだったら辞めるのではなく、話さなくてはいけない。
話すということは自分を認めるということ。
広島で当事者会副代表
家族は話をするが、当事者が話すことが少ないので、当事者同士が話す機会を作る
当事者同士でないとわからないことがある。
「死にたいと思ったことはありますか」と聞いたところ、「池に飛び込んだら浮いて
きて、それ以上沈まなかった。しょうがなく家に帰った」と、当事者ならではの声が
聴ける。
当事者同士で話し合う、言えないことが言える。
だんだんと「隠れ当事者」にでてきてもらうきっかけにしたい。
家族について
夫
辛かった人生を事故後も変わらずにずっと支え続けてきてくれた
頭が上がらない
結婚してすぐのころに、自分が責められているようで「死んでいればよかった」と
なった時の、夫が障害と向き合ったやり方は、「場所を変える」
「ちょっと外へ行ってくる」と場を離れる、空間を変えて頭をゼロにさせる。
記憶障害があるため、しばらくたって帰ってくる。
それまでのことは置いといて、新しい情報を入れる方法を取っている。
子供
高次脳の母を持つと大変
夫婦で言い合いをしていると「まあまあ」と仲裁役になっている。
MI・HO・KOさんの書籍の紹介
出席した当事者・家族の声・感想
・当事者 男性 30代
一般就労で苦労されてきたのを聞いて、今まで一般就労する中で努力されてきた人と
共有できていなかったので、話を聞けて良かった
「悔しい」という気持ちが心に刺さった
初めて家族会に出席した時、当事者の方と初めて出会い、「死にたくなかったですか」
と、家族の目の前で聞いてしまったことを気にしている。
一般就労で障害を隠していたが、車の運転がきっかけで会社に伝えた
当事者間に話を聞いて会社に伝えることを判断、伝える勇気、
隠すよりも伝えた方が良い
・当事者 女性 30代
受傷前の記憶が全くない
友人・好きだったこと・趣味等はわかるが、その他のことは全く覚えていない
何が出来なくなったのかということが、わからない
「前に比べて出来なくなった」と言っていらっしゃるのが、うらやましい
家族
毎日一緒にいても当事者のことはわからない
当事者の発表などを聞くと、「そんなことを思っていたのか」と、グサッと来ること
がある
・当事者 女性 50代
前の自分と変わっていない、記憶障害・忘れっぽいのは、自分が退化しただけ
家族
七年間 高次脳ということを理解していない、受け入れていない
・家族
当事者(夫 60代)の障害は重いが、「自分は落ちるところはないので」と、考え方
は前向き
年数はかかったが、周りの理解を得られるように努力している
・賛助会員
もっと身近にいるのではないか(隠れ高次脳)
家族会に来るまでが大変
家族会に参加していただくと、その先の道が見えてくる
次回の定例会は、2023年6月18日(日) 10:00~12:00
Comments