高次脳機能障害は脳卒中、脳外傷、低酸素脳症を原因としている方が多いいのですが、
もっともっと、様々な病気からや他の原因があります。
―その一例をご紹介します。―
多発性硬化症(MS)は日本では12000人と患者は少なく、
当事者や家族が体験しない限りなかなか出会わない病気です。
この病気は中枢神経細胞(脳・脊髄)を侵す自己免疫疾患です。
日本のMS患者様の多くは再発寛解型で、急性期はステロイド、寛解期はインターフェロンや免疫抑制剤を使い、なるべく再発を抑えて進行を遅らせるよう努力しています。そして、今までどおりの生活、仕事を続けていける方も沢山います。
しかし、身体障害(下肢、視力)の他に、外見では分かりにくいですが、
道を忘れてしまったり、約束を忘れてしまったり、仕事が思うように出来なくなってしまったり、思わずカッと切れてしまったり、言いたいことが上手くいえなくなったり…と今までどおりの生活が出来なくなる人も居ます。
まさに高次脳機能障害です。
そうなのですが、今までは病院の診察で、
まあ~これくらいは。とか、障害者ではないですね。とか、
なかなかお医者様が本気に取り上げてくれませんでした。
本人や家族は、人生終わったというくらい苦しんでいるのに!
長くなりましたが、本題はここからです。
毎年年末に六本木で、多発性硬化症フォーラムが行われます。
国内の第一線のMS専門医の先生が、
いろいろな演題でお話してくださいます。
最新の治療情報が聞けますし、
ディスカッションでは先生方が、本気で討論してくださいますので、
必ず出席しています。
そこの場で、はじめて、「MSと高次脳機能障害」が取り上げられました。
発表された先生は、本当に良く患者の立場を分かっていらして、
医学的にみても納得できるという説明をしてくださいました。
なんだかとてもスッキリしました。
病気や障害そのものが治るわけでもありませんが、
家族を支えていける勇気を頂きました。
この長い文を読んでくださった方に、 いろいろな原因から高次脳機能障害になりうることを 知って欲しいと思いました。
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